持病がある人は内視鏡検査を定期的に受けるべき?

女医

持病患者の定期内視鏡検査は重要であり、行うことにより持病以外の病気を発見することも可能ですし、現状を把握することもできます。しかし、どれぐらいの頻度で検査を受ければいいか分からない人もいるでしょう。今回は検査を定期的に受けるべきか解説します。

抗凝固薬や抗血小板薬内服中の患者への対応

抗凝固薬や抗血小板薬を常用している患者では、内視鏡検査による出血リスクが高まります。一方で潜在性消化管疾患を見逃す危険性も併せ持ちます。そのため、定期的に検査を受けるべきかは医師による状況判断が必要となります。また、慢性心房細動患者の場合、脳卒中予防の観点から抗凝固薬を中止できないことも多いでしょう。ワルファリンとドバイガトラン併用療法を参考に、出血リスクと疾患リスクを比較考量し、定期的に検査したほうがいいといえます。

免疫抑制薬使用患者に対する消化管感染症スクリーニング

自己免疫疾患でステロイドや生物学的製剤を使用している患者では、日和見感染のリスクが上昇します。特にCMV感染性腸炎は重篤な転帰をたどることがあり、定期的な検査には注意が必要です。免疫抑制状態に対して、内視鏡スクリーニングが有効か否かは議論が分かれるところですが、リスクとベネフィットを考量したうえで検査をして判断することが大切だと考えます。