内視鏡検査で病気が見つかった場合は?

医師

内視鏡検査で新たな病変が見つかった際、最も重要視されるべきは「精密検査に基づく確定診断」のプロセスです。鑑別疾患の列挙や段階的検索を経て病態を特定し、個別性の高い治療介入につなげることが大切です。

病理結果を待たずに治療方針を決めることのリスク

内視鏡所見のみで疾患を決めつけ、治療を開始することは避けるべきです。外観上区別のつきにくい疾患も少なからず存在するため、病理学的根拠に基づいた確定診断を下す必要があります。生検結果が出るまで治療を待機するのは辛いかもしれませんが、誤診に基づいた治療は症状を良化させるどころか悪化させる可能性すらあります。 Guthrieの法則を肝に銘じ、確定診断後の治療介入が基本です。

治療方針検討の際に関連学会のガイドラインを参照する

病名が特定されたら関連する学会で作成された「診療ガイドライン」を参照することをおすすめします。エビデンスに基づいた推奨度を示した治療アルゴリズムが示されていることが多く、個別事例に最適化した治療方針を立案する上で非常に有用です。内科・外科・放射線科といった部署を越えた関係者で治療方針を検討することで、多角的な観点から最善の選択が可能となるでしょう。